高1の時に郵便配達のバイトをしてバイト代でソニーの廉価版MSX2機・HB-F1を買ってきました。 最初はガルフォースというMSX用のシューティングゲーム(超面白い)で遊んでいたのですが、何かMSX2用のソフトを買ってやろうと思い、スーパートリトーンというRPGを通販で買いました。 FM-7版のトリトーンというソフトがなかなか面白かったので、こいつは「スーパー」が付いている分さらにグレードアップしているのではないかと期待していた訳です。 さて、実際にプレイしてみるとグラフィックはFM-7版トリトーンよりずっとカラフルになっていました。ただ、音楽はFM-7版の軽快なBGMではなく、あのソフト自動販売機TAKERUのCMで流れていたノリの悪い曲にグレードダウンしていました。 さらにプレイをしていくと、いくつか問題があることが判りました。 ①電源を切ると最初からやり直しになる プレイ中は1箇所だけセーブできるのですが、S-RAMなどまだ無かった時代のソフトなので、パソコン本体の電源を切ってしまうと最初からやり直しです。入ったら戻れない場所もあり、セーブしてしまってから「あっ」と思った時にはもう手遅れです。 ②途中から敵が急に強くなる 最大限まで鍛えていっても、途中で出てくる小さい騎士みたいな敵が相手だと歯が立ちません。それまでのどの敵を倒してももう経験値が上がらない状態にしても、こいつらに触られると一瞬でこっちが死にます。 何とかクリアしてやろうと頑張ってみたのですが、なかなか先に進むことが出来ません。プレイの要領はFM-7版のトリトーンとほぼ同様なので判っているのですが、バランスも前作同様で主人公がやたら死にやすいです。 そもそも本体の電源を付けっぱなしにしておく必要があるので、ポーズをかけて夕飯を食べ、食べ終わったらまた再開みたいな感じでプレイする必要があります。 大したデータ量では無いはずなので、テープにセーブとはいかなくても、せめてパスワードぐらいは付けてほしかったところです。 あと、最大の問題なのですが、「ゲームとしてあんまり面白くない」ということが挙げられるでしょう。とにかく、[経験値稼ぎのために敵と戦う]→[体力回復を待つ]を延々と繰り返す必要があります。敵はあっという間にこちらの体力を削っていくのですが、その体力回復も激遅でプレイ時間の98%以上(冗談抜きで)を体力回復待ちに費やす必要があります。 こうして莫大な(待ち)時間をかけてザコ敵を倒していかないと先に進めないのですが、電源を切ったらまた最初からです。これでは経験値稼ぎがただの苦行でしかありません。「プレイ終了まで電源を切れないRPG」というシステムはやはり無理があったのではないかと思います(グーニーズのように純粋なアクションゲームであった方がまだ良かったように思います)。 また、自分の攻撃も単純に剣を振り下ろすというだけで、あまりにも単調でした。ドラゴンバスターとまではいかなくても、もう少し変化があっても良かったように思います。 ただ、驚いたことにこのゲームを実際に解いた人がいたようです。YouTubeに攻略動画が上げられていました。自分が挫折した触っただけで死ぬザコキャラどもをジャンプでかわして進むと、その先にボスであるペイ・バルーサがいて一瞬で倒されてました。というか、敵のボスってザコキャラよりもずっと弱いんですね・・・・。 タイトル画面です。MSX2なのでけっこうカラフルで良いです。 ここには比較的まともなBGMがついてます。 単調なBGMに乗って単調な経験値稼ぎが続きます。もうただの作業です。 電源を切ると経験値稼ぎはゼロからやり直しです(なんという苦行・・・・) FM-7版の「剣振りっぱなし」が使えたら良かったのですが。 結局、このソフトを通じて安易に「スーパー」とか「スペシャル」の付いたソフトは買ってはいけないという貴重な教訓が得られたのでした(※でも、PC-88SR版の「スーパーピットフォール」とTOWNS版の「スーパー上海」は名作ですが・・・。そういや「スーパー大戦略」も良かったですし)。 というか、このソフト、ちゃんとテストプレイされていたのでしょうかねぇ・・・・。正直、ゲームになってない気もするのですが。 まあ、投入した時間を考えると充分元を取ってますけど・・・・。 <ちょっとした小技> 飛び道具を使ってくる敵がいるのですが、[W]を押してメモリセーブのコマンドを呼び出すと飛んでいる弾が消えます。弾が当たりそうになったら使いましょう。 |